お茶道具
母親や若い方の小坊主と違って勉強不足の私にはよくは分かりませんが
『お茶道具』と言いますと抹茶などを立てる(点てる?)時に使う茶筅や茶杓などが
頭に浮かぶような気がします。
が、私が物心ついた頃から正伝寺で『お茶道具』と呼ばれているのは
お檀家様のご供養の後や大工さんや石屋さんの休憩の時にお出しする
お茶を入れる 急須 お茶っ葉 茶碗と茶たくを ひとまとめに入れて
運べるセットのことでした。
母親曰く、自分が嫁に来た頃に先代の幸子さんが誰かから頂いたものを
おろしたそうなのでかれこれ約40年前のモノになります。
津軽塗風のプラスチック製だったのですが、
40年近く使うとプラスチックも老朽化してくるようで、
晩年は年老いたプロのスポーツ選手のような裏では瞬間接着剤での
メンテナンスを必要とする大変な苦労をしてまいりました。
そんなこともありまして、数年前から変わりとなるお茶のセットを入れる箱を
探していたのですが、お茶屋さんを覗いても、昔 見たという目撃証言のある
イトーヨーカドーに行っても見つかりません。
世界最大の品揃えを謳うAmazon様でも見つからず、
何かの用事で県外に出る事があった際にも、母と私で探してはいたのですが、
正式な名前すら分からないまま年月が経ちました。
そんな感じで困っていたのですが、昨年の秋頃に大工様と話している際に
その話題が出まして、建具屋さんに頼んでみてはどうか?とのアドバイスをいただき
お願いしたところ、早速 先日 出来上がって参りました。
何年もかけて あちこち探したけれど結局は全く違う方向に答えがあったんだなぁ
と思うと複雑ですが、やっと報われたと言うか、なんか達成感がある気がします。自己満足ですが(-_-;)
しかし建具屋さんの作ということで木製なので、これからはプラスチックの時よりも
丈夫で美しいので末長く使われることかと思います。
ちなみに、急須も大きいサイズ(600mlくらい)がどこにも売っておらず、
数年前に母親がヨーカドーで買ってきてからは店頭では見つからなかったのですが
Amazonで発見購入出来ました。
それだけ、昔と違い現在はお茶を出すことも、
みんなで飲む機会も減ったということなのでしょうね。
ちょっとだけ寂しさをおぼえたりしてしまいます。