花まつり
●正伝寺での花まつり
正伝寺では『花まつり』は私の幼少の頃、今から約30数年前
先々代の達温和尚の頃まで行っていたのですが、
それからは御位牌堂落慶の次の年に一度行われたのみで、
近年では行っておりませんでした。
正伝寺では新暦にて『花まつり』を行っていたそうなので、
今年は5月3日ですので、連休に合わせまして
5月の3日 4日 5日 の3日間でお祝いしたいと考えております。
昨年に母と嫁とでお庭から摘んで天日干ししたヤマアジサイ(甘茶)
をご用意しております。
●お誕生日は旧暦4月8日です
お釈迦様のお誕生日がいつであったかは、色々な説がありまして、
その年代ははっきりしませんが、
今から およそ2600年前、紀元前463年頃の4月8日とされています。
●お生まれになると すぐ東西南北に7歩ずつ歩かれました
生まれたばかりの赤ちゃんがすぐに歩くわけはないのですが
これは人間がこの世において迷いおちこむであろう六道、
『地獄』『餓鬼』『畜生』『修羅』『人間』『天上』の6つの迷いの境界を
乗り越えて、仏さまになられたお方であることを言いあらわしており
わたしたちにも 6つの迷いの境界を早く乗り越えなさいとのお示しでもあります。
●右手で天を、左手で地をさして申されました
お釈迦様は7歩歩まれると、右手で天を、左手で地をさして『天上天下唯我独尊』
と申されました。この『天上天下唯我独尊』をそのまま受け取りますと
『天にも地にもわれひとり尊し』ということですが、これは決して
『自分だけが尊いのだ』という意味でお釈迦様が申されたのではなく
『人間や動物、鳥や虫 草花にいたるまで、この世界に生きるすべてのものの生命(いのち)を尊ばねばならない』
と、わたしたちが生きる上での智慧をお示しになられたのです。
●お誕生日を『花まつり』といいます
お釈迦様のお誕生日を『花まつり』といい、
花御堂におまつりするのは、お釈迦様がお生まれになった場所が
『ルンビニー』という花園だったためです。
うららかな春の4月8日母マーヤ様は里帰りの途中、花々が咲き乱れるルンビニーの園で
お釈迦様をご出産なさいました。そのとき、天から甘い雨がふりそそぎ、
お釈迦様のお体を浄めたということです。
私が小学校の頃、独り身だった親戚が亡くなり、飼われていた犬を
正伝寺で2年くらい預かっていたのですが、その犬の名前が『マーヤ』でした。
柴犬の雑種で女の子。吠えることもなく大変 優しい性格だったのですが、
正伝寺にはすでに初代 達五郎がおりましたので、小坊主の実家でその後は暮らしました。
本堂の右側につながれていたのですが、覚えてる方はおられますでしょうか。
●甘茶をかけてお祝いします。
お釈迦様がお生まれになったとき、天から甘い雨がふりそそいだということから
甘茶をおかけしてご誕生をお祝いします。
この お釈迦様に甘茶をおかけすることを難しい言葉で『灌頂(かんじょう)』と言い
まして、この儀式はインドではたいへん昔から行われ、
日本でも仏教が伝えられて以来、全国各地で行われてきました。
●白い象におのせします
花まつりではよく花御堂を背負った白い象をおまつりします。
これはお釈迦様の母マーヤ様がある夜 白い立派な象がお腹に入る
不思議な夢をごらんになって身ごもられたという言い伝えがあるからです。
因みに正伝寺には白い象の台座はございません。
今回の花まつりに合わせて新調しようかと考えたのですが、
物凄く高価な為 代用として白い布にしようかと思っております(^ω^;)
●初めてのことで
私も何をしたらいいのか さっぱりで手探りの花まつりですが、
甘茶をかけてお祝いしていただき、その後はお位牌堂を拝んでいただいても
よろしいかと思いますし、お庭でゆっくりしていただいてもいいかと思います。
達二郎もお待ちしております。
連休どこも混雑して大変でしたら、お寺へどうぞ!